頸部痛とは、首のまわりに痛み、こわばり、重だるさなどの不快感を感じる状態をいいます。
痛みは首の後ろや横、付け根などに出ることが多く、肩や背中に広がる場合もあります。
日常生活の中で比較的よくみられる症状で、年齢や性別を問わず起こります。
なぜ起こるの?
多くの頸部痛は、首や肩まわりの筋肉や靱帯に負担がかかることで起こると考えられています。
長時間のデスクワークやスマートフォン操作などで同じ姿勢が続くことが、原因となることがあります。
姿勢の乱れ、運動不足、筋力低下、冷え、精神的な緊張やストレスも影響するとされています。
また、加齢に伴う首の関節や椎間板の変化が関係することもあります。
一方で、検査を行っても明確な原因が特定できない場合も少なくありません。
どんな症状が出るの?
首を動かしたときに痛みや違和感を感じることがあります。
首が動かしにくく、振り向く動作がつらくなることもあります。
肩こりや背中の張りを伴うことがあります。
症状が続くことで、頭重感や目の疲れ、不快感を自覚する方もいます。
どうやって診断するの?
診断は、症状の内容や経過を詳しくうかがい、首の動きや痛みの出る部位を確認し、生活習慣や姿勢についても評価します。
必要に応じて、レントゲンや画像検査を行い、骨や神経に明らかな異常がないかを確認します。
しびれや筋力低下がある場合には、他の病気が隠れていないか慎重に調べます。
治療の基本
頸部痛の治療は、痛みの程度や日常生活への影響を考慮しながら進められます。
多くの場合、重い病気が原因ではなく、保存的な対応によって改善が期待できるとされています。
過度に安静にするのではなく、無理のない範囲で首を動かし、日常生活を続けることが重要です。
姿勢の見直しや、首や肩に負担のかかりにくい環境づくりが勧められます。
必要に応じて、体操やストレッチ、温めるケア、リハビリテーション、薬物療法が行われることもあります。
現在の医学的知見では、運動療法や姿勢指導、温熱療法などが症状の改善に役立つとする報告があります。
画像検査で明らかな異常が見られなくても、痛みが生じることは珍しくありません。
また、頸部痛には筋肉や関節の問題だけでなく、ストレスや生活環境などの影響が関与することも知られています。
そのため、体と生活全体を見ながら、無理なく続けられる治療を選択することが大切です。
鍼灸は役立つの?
鍼灸は、首や肩まわりの筋肉の緊張を和らげ、局所の循環を改善することで、痛みやこわばりの軽減に役立つ可能性があります。
慢性的な頸部痛に対して、補助的治療として一定の有効性が示唆されている報告もあります。
また、鍼灸刺激が自律神経の働きに影響し、緊張やストレスが和らぐことで症状の改善につながることがあります。
医療機関での治療と併用する場合は、主治医と情報を共有しながら安全に行うことが大切です。
受診の目安
首の痛みが数日以上続く場合や、徐々に強くなる場合は受診を検討しましょう。
次のような症状がある場合は、早めの受診が必要です。
・腕や手のしびれ、力の入りにくさがある場合
・安静にしても改善しない強い痛みがある場合
・発熱、体重減少、夜間に強くなる痛みを伴う場合
・転倒や事故のあとに首の痛みが出た場合
まとめ
頸部痛は、多くの方が経験する身近な症状です。
多くの場合は重い病気ではなく、適切な対応により改善が期待できます。
鍼灸は、医療による治療を補い、体の緊張やバランスを整える方法として役立つ可能性があります。
症状を我慢しすぎず、必要に応じて医療機関や専門家に相談しながら、自分に合った対処法を見つけていきましょう。