線維筋痛症とは、全身の広い範囲に、はっきりした原因が分からない慢性的な痛みが続く病気です。
関節や筋肉に強い炎症や破壊がみられないにもかかわらず、痛みやこわばり、強い疲労感などが続くことが特徴です。
なぜ起こるの?
線維筋痛症の原因は、まだ十分には解明されていません。
現在では、痛みを感じる仕組みが過敏になり、本来は痛みと感じにくい刺激でも、強い痛みとして認識される状態が関与していると考えられています。
・心理的ストレス
・睡眠障害
・感染症
・外傷
などが、発症や悪化のきっかけになる場合があります。
どんな症状が出るの?
主な症状は、全身のあちこちに広がる痛みです。
首、肩、背中、腰、手足などに、鈍い痛みや、締めつけられるような痛みが続くことがあります。
痛みに加えて、
・強い疲労感
・眠りの質の低下
・頭痛
・しびれ感
・気分の落ち込み
などを伴うこともあります。
どうやって診断するの?
診断は、症状の経過や広がりを丁寧に確認することが基本です。
医師は、一定期間以上続く全身の痛みがあるか、生活にどの程度支障が出ているかを評価します。
血液検査や画像検査を行い、関節リウマチなど、他の病気を除外したうえで診断されます。
これらを総合して、線維筋痛症かどうかが判断されます。
治療の基本
治療の基本は、痛みを完全になくすことよりも、症状を和らげ、生活の質を高めることを目標とします。
・薬物療法
・運動療法
・睡眠や生活リズムの調整
・心理的サポート
などを組み合わせて行います。
患者さん一人ひとりに合わせた、長期的な対応が大切です。
鍼灸は役立つの?
鍼灸治療は、線維筋痛症に対する補助的な選択肢として検討されています。
鍼やお灸の刺激が、筋肉の緊張を和らげ、自律神経のバランスを整えることで、痛みや疲労感の軽減につながる可能性が示唆されています。
一部の研究では、痛みや生活の質が一時的に改善したという報告もあります。
ただし、鍼灸だけで線維筋痛症を治すことは難しく、標準的な治療の代わりになるものではありません。
医療と併用しながら、無理のない範囲で取り入れることが大切です。
受診の目安
全身の痛みが、
・数か月以上続いている場合
・強い疲労感や睡眠障害を伴う場合
・日常生活に支障が出ている場合
には、医療機関への相談が勧められます。
まとめ
線維筋痛症は、痛みの感じ方の変化が関与すると考えられる、慢性的な痛みの病気です。
治療は、症状と上手につき合いながら、生活の質を高めていくことが中心となります。
鍼灸治療は、その治療を支える補助的な方法として、症状緩和に役立つ場合があります。
不安や疑問があるときは、医師や鍼灸師と相談しながら、安全性を重視して進めることが大切です。