脳卒中後遺症とは、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの脳卒中に対する急性期治療を終えたあとも、脳の損傷の影響が残り、身体や認知の機能にさまざまな障害がみられる状態をいいます。
現在も通院やリハビリを継続されている方の中には、回復の途中段階としてこれらの症状と向き合っている方が多くいます。
なぜ症状が続くの?
脳卒中によって障害された脳の神経細胞は、完全には元に戻らない場合があります。
一方で、脳には可塑性と呼ばれる働きがあり、残っている神経回路が役割を補い合うことで、機能の回復が進むことが知られています。
しかし、損傷の部位や範囲によっては、神経の情報伝達が不十分な状態が続き、後遺症として症状が残ることがあります。
どのような症状がみられるの?
運動機能の障害として、手足の動かしにくさ、力の入りにくさ、動作のぎこちなさがみられます。
また、筋緊張が過剰になることで、筋肉のつっぱりやこわばり、いわゆる痙縮(けいしゅく)が生じることがあります。
感覚の鈍さやしびれ、バランスのとりにくさが加わる場合もあり、日常生活動作や歩行に影響を及ぼします。
症状の現れ方や程度は、脳の障害部位、リハビリの経過、全身状態などによって個人差があります。
現在行われている評価について
診察やリハビリの場では、筋力、関節の動き、筋緊張の状態、感覚機能、動作能力などを定期的に評価しています。
これらは、回復の程度や今後の治療方針を判断するために重要な指標です。
必要に応じて画像検査を行い、脳の状態と症状の変化を総合的に確認します。
治療の基本について
脳卒中後遺症の治療の中心は、医学的管理のもとで行われるリハビリテーションです。
理学療法、作業療法、言語療法を通じて、残存機能の活用と動作の再学習を進めます。
継続的な訓練により、神経の働きを高め、生活動作の改善を目指します。
回復には時間がかかる場合があり、経過を見ながら調整していくことが大切です。
鍼灸治療との関わりについて
鍼灸治療は、脳卒中後遺症に対する標準治療ではありません。
しかし、リハビリテーションと併用する補助的な方法として、一定の研究報告があります。
具体的には、鍼灸刺激が神経系の興奮と抑制のバランスに影響し、筋緊張の調整や血流の改善を通じて、手足の動かしやすさを支える可能性が示されています。
また、継続的なリハビリを行いやすくする環境づくりの一助となる場合もあります。
効果の程度には個人差があり、すべての方に同様の変化がみられるわけではありません。
導入にあたっては、主治医やリハビリスタッフと情報を共有しながら、補助療法として慎重に検討することが重要です。
治療を続ける中での注意点
・症状の変化
・筋緊張の増強
・痛みや体調不良
がみられた場合は、早めに医療スタッフへ相談しましょう。
自己判断で治療内容を変更したり中断したりせず、医療機関との連携を保つことが安全につながります。
まとめ
脳卒中後遺症は、脳の損傷と回復過程が複雑に関与する状態です。
リハビリテーションを基本としながら、必要に応じて鍼灸などの補助的な方法を組み合わせることで、生活の質の向上を目指します。
現在受けている治療を大切にしながら、自分の状態に合った支援を継続していくことが重要です。