頭痛は、とてもよくある症状ですが、原因や種類によって対応が少しずつ違います。
一時的なものから、長く続くものまでさまざまで、日常生活に大きく影響することもあります。
ここでは、よくみられる頭痛と、受診の目安、鍼灸との関わりについて説明します。
どんな種類の頭痛があるの?
大きく分けて、次のようなタイプがあります。
緊張型頭痛
首や肩のこり、目の疲れ、ストレスなどが関係して起こりやすい頭痛です。
頭全体が締めつけられるように重く痛み、長く続くことがあります。
片頭痛(偏頭痛)
ズキズキ、ドクドクと脈打つように痛みます。
光や音、においに敏感になり、吐き気を伴うこともあります。動くとつらくなるのが特徴です。
群発頭痛
目の奥をえぐられるような、非常に強い痛みが一定の期間に集中して起こります。
涙や鼻水、目の充血などを伴うことがあります。まれですが、とてもつらい頭痛です。
このほか、鼻や耳、歯、首などの病気が原因になる頭痛や、薬の飲みすぎで起こる頭痛などもあります。
どうして頭痛が起こるの?
頭痛の原因は一つではなく、次のようなことが重なって起こることが多いです。
・首や肩のこり、姿勢のくずれ
・長時間のスマートフォンやパソコン
・睡眠不足、寝すぎ
・ストレスや緊張
・天気や気圧の変化
・ホルモンバランスの変化
・食事を抜く、脱水
頭の中(脳)そのものが痛んでいるのではなく、血管や筋肉、神経が刺激されることで「痛み」として感じます。
受診が必要な頭痛は?
次のような場合は、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。
・突然激しい痛みが出た(今までで一番の痛み)
・だんだん強くなり続ける
・発熱、吐き気、けいれん、意識がぼんやりする
・手足のしびれ、力が入らない、言葉が出にくい
・頭を打ったあとに続く痛み
・いつも飲んでいる痛み止めが効かない
・妊娠中や重い病気の治療中に起こった頭痛
命に関わる病気が隠れている場合もあるため、自己判断で様子を見すぎないことが大切です。*1
どんな検査や治療をするの?
まず、症状の出方や生活習慣、痛む場所などを確認します。
必要に応じて、
・血液検査
・CTやMRI
などで原因を調べます。
治療は、原因やタイプに合わせて行います。
・痛み止め、片頭痛用の薬
・筋肉のこりをやわらげる治療
・生活習慣の見直し(睡眠、食事、姿勢)
・ストレスケア、リラックス
痛み止めは「飲みすぎ」で頭痛を悪化させることがあるため、自己判断で増やさず、医師の指示に従うことが大切です。
鍼灸は頭痛に向いているの?
鍼灸は、頭痛のタイプによっては、症状をやわらげる目的、予防の目的で有効です。
期待できること
・首や肩、頭皮のこりをゆるめる
・血流をよくして、重だるさを軽くする
・自律神経の乱れを整え、緊張を和らげる
・ストレスや睡眠の質の改善をサポートする
特に、緊張型頭痛や、こりが強いタイプの頭痛で役立つことが多いです。
片頭痛でも、体質改善や予防的なサポートとして使われることがあります。
鍼灸を受けるときの注意
・突然の激しい頭痛
・発熱や意識障害、神経症状を伴う頭痛
・原因不明で急に悪化した頭痛
このような場合は、まず医療機関で原因を確認することが最優先です。*1
血液をさらさらにする薬などを飲んでいる場合は、必ず事前に伝えます。
生活の中で気をつけたいこと
毎日の習慣が、頭痛の予防につながります。
・睡眠のリズムを整える
・こまめに休憩をとり、同じ姿勢を続けない
・水分をしっかりとる
・食事を抜かない
・適度に体を動かす
・ストレス発散の時間を作る
・痛み止めを飲みすぎない
「頭痛日記」をつけると、きっかけ(天気、食べ物、睡眠など)が分かりやすくなり、治療の手がかりになります。
まとめ
頭痛にはいくつかのタイプがあり、原因や対処法はそれぞれ違います。
多くは心配のいらない頭痛ですが、中には注意が必要なものもあります。
鍼灸は、こりや血流、自律神経の乱れを整え、頭痛のつらさを軽くするのに有効です。
*1 補足
以下の頭痛がある場合、ご注意ください。
突然激しい痛みが出た(今までで一番の痛み)
・くも膜下出血(脳の血管が破れる病気)
・脳出血、脳梗塞
・脳動脈瘤のトラブル
・頚動脈や椎骨動脈の解離(血管の壁が裂ける状態)
・急性緑内障(目の病気ですが激しい頭痛や吐き気が出ます)
だんだん強くなり続ける
・脳腫瘍(良性でも起こることがあります)
・慢性の脳出血、硬膜下血腫
・脳脊髄液の圧の異常(低下・上昇)
・副鼻腔炎(ちくのう)などの感染
・側頭動脈炎(ご高齢の方に多い炎症性の病気)
発熱、吐き気、けいれん、意識がぼんやりする
・髄膜炎、脳炎
・脳膿瘍(脳に膿がたまる)
・重い全身感染症
・脳炎に伴うてんかん発作
・脳出血や脳梗塞
手足のしびれ、力が入らない、言葉が出にくい
・脳梗塞、脳出血
・一過性脳虚血発作(脳の前ぶれ発作)
・脳腫瘍
・脳炎や髄膜炎
・頚動脈・椎骨動脈の解離
頭を打ったあとに続く痛み
・急性・慢性の頭蓋内出血
・硬膜下血腫
・脳震盪後症候群
・頭蓋骨骨折に伴う合併症
いつも飲んでいる痛み止めが効かない
・重い頭痛の原因が隠れている(脳出血、腫瘍、感染など)
・薬剤の使いすぎによる頭痛(薬物乱用頭痛)
・偏頭痛の悪化や別のタイプの頭痛の発症
妊娠中や重い病気の治療中に起こった頭痛
・妊娠高血圧症候群、子癇(しかん)
・脳静脈血栓症(脳の血管に血のかたまり)
・ホルモン変化に伴う頭痛の悪化
・がんや免疫低下に伴う感染・出血
・治療薬の副作用
これらの場合は、命に関わる病気が隠れていることがあります。
「少し休めば治るかも」と様子を見すぎず、救急受診も含めて、できるだけ早く医療機関に相談することが大切です。