頸椎捻挫とは、首に急な力が加わって、首まわりの筋肉や靱帯、関節のまわりの組織が傷ついた状態のことをいいます。交通事故や転倒、スポーツなどで起こることが多く、「むち打ち」と呼ばれることもあります。
通常は時間とともに回復していきますが、中には痛みやだるさ、しびれなどが長く続く場合があり、これを「頸椎捻挫後遺症」といいます。
どんな症状が出るの?
次のような症状がみられることがあります。
・首や肩、背中が痛い・重い
・首を動かすとつっぱる、回しにくい
・頭痛やめまい、ふらつき
・腕や手のしびれ、だるさ
・目の疲れ、集中しにくい、眠りが浅い
・天候や疲労で症状が強くなる
症状には個人差があり、日によって良い日・悪い日があるのが特徴です。
どうして長引くの?
首の筋肉や靱帯が傷つくと、体は「守ろう」として緊張が続きます。
すると、血流が悪くなり、こりや痛みが慢性化しやすくなります。
また、
・事故の衝撃による微細なダメージ
・姿勢のくずれ(前かがみ、猫背など)
・睡眠不足やストレス
などが重なると、症状がなかなか抜けにくくなることがあります。
ただし、レントゲンやMRIで大きな異常が見つからない場合でも、痛みが「気のせい」ということではありません。体のバランスや神経の敏感さが影響していることが多いです。
どんな検査や治療をするの?
まずは、けがの状況や症状の経過をしっかり確認します。必要に応じて、
・レントゲン
・MRI
・神経の検査
などで、骨折や神経の大きな障害がないかを調べます。
治療は次のようなものを組み合わせます。
・痛み止めや湿布
・温める治療や理学療法
・ストレッチやリハビリ
・姿勢指導、生活動作の見直し
・睡眠や生活リズムの調整
大切なのは、「急に無理をしないで、少しずつ動きを戻していく」ことです。
鍼灸は頸椎捻挫後遺症に向いているの?
鍼灸は、後遺症によるつらさを和らげる目的で、併用されることがあります。
期待できること
・首や肩の強いこりをゆるめる
・血流を良くして、重だるさや冷えを軽くする
・神経の緊張を落ち着かせ、痛みの感じ方を調整する
・睡眠の改善や、全身の疲労感の軽減をサポートする
頸椎捻挫を「直接治す」治療ではありませんが、体の自然治癒力を助け、日常生活を楽にすることを目指します。
受けるときの注意
・けが直後で腫れや強い痛みがある
・腕や手に強いしびれ、力が入らない
・激しい頭痛、吐き気、意識が遠のく感じがある
このような場合は、まず医療機関でしっかり検査を受けることが最優先です。
服用している薬(血液をさらさらにする薬など)があれば、必ず伝えます。
生活の中で気をつけたいこと
・長時間同じ姿勢を続けない
・スマートフォンやパソコンは顔に近づけすぎない
・首・肩を冷やしすぎないよう注意する
・痛みが強い日は無理をしない
・軽いストレッチや体操を、医師・治療者の指導のもとで行う
・睡眠と休養をしっかりとる
少しずつ体を整えていくことが、改善への近道です。
まとめ
頸椎捻挫後遺症は、首のけががきっかけで、痛みやしびれ、だるさが長く続く状態です。
原因は一つではなく、筋肉の緊張、血流、神経の敏感さ、姿勢などが関係しています。
治療は、リハビリや生活の工夫を中心に、必要に応じて薬を使い、鍼灸は症状をやわらげ、体の回復を補助する役割があります。