術後疼痛とは、手術を受けたあとに生じる痛みのことです。
手術では体の組織や神経がどうしても刺激されるため、その反応として痛みが起こります。
痛みは体が回復する過程で出る反応で自然なものです。
通常は手術直後がいちばん強く、安静にしている間の痛みは数日から数週間ほどで軽くなることが多いです。ただし手術内容によっては、数か月ほど残る場合もあります。
場合によっては長引くこともあり、傷が治った後も痛みが3ヶ月以上続く状態を慢性術後痛と呼びます。
また、体を動かすと痛みが強く感じられることがあります。これを体動時痛といいます。
痛みをそのまま放っておくと、咳や深呼吸・歩くことがしにくくなり、回復が遅れることがあります。
そのため、術後痛をしっかりコントロールすることが回復を早めるポイントになります。
術後の痛みがあるとどんな影響があるの?
術後の痛みが強い状態が続くと、次のようなことが起こる恐れがあります
・咳や深呼吸がしにくくなる
・体を動かしにくく早期離床が遅れる
・呼吸器合併症(肺炎など)が起きやすくなる
・体を動かさないことで血栓ができやすくなる
・痛みによるストレスで体への負担が増える
・慢性痛に進行する可能性がある
痛みが回復を遅らせることもあるため、早い時期から適切に痛みをやわらげることが大切です。
痛みをやわらげる方法はどんなものがあるの?
術後痛をコントロールする方法には、いくつかがあります。患者さん一人ひとりの痛みの程度や手術内容に合わせて、NSAIDやオピオイド鎮痛薬、局所麻酔薬などが使われます。
術後の痛みを抑える方法には、内服薬以外にも以下のものがあります。
・硬膜外鎮痛法:背中に細い管を入れて痛み止めを入れる方法で、体を動かしたときの痛みにも効果的です。
・静脈内PCA:患者がボタンを押して鎮痛剤(オピオイドなど)を追加投与する。
・神経ブロック:手術部位の神経の近くに局所麻酔薬などを注入し、痛みを遮断
・鍼灸治療:手術後に鍼治療を受けた患者は、複数の研究において手術後の痛みが少なく、オピオイド鎮痛剤の使用量が減ることが示されています。
どうやって痛みを評価しているの?
痛みは数値や言葉で評価して、痛みの強さや変化を確認します。
患者さんが自分で評価する「痛みのスケール」や、表情・動き・睡眠状態などからも判断します。
術後疼痛に関して患者さんができること
痛みをやわらげるだけでなく、回復を助けるために次のことを心がけましょう:
・できる範囲で積極的に深呼吸したり体を動かす
・痛みを我慢しすぎないで、専門家に伝える
・休息と栄養をしっかりとる
・痛み止めを自己判断で止めない
次のような状態があれば、できるだけ早く担当の医師に相談しましょう。
・痛みが急に強くなった
・発熱、激しい痛み、赤み、膿が出る
・息苦しい、足が腫れる
・手足のしびれや力が入りにくい
・痛み止めが全く効かない
まとめ
術後疼痛は、手術後によく起こる正常な反応ですが、しっかりコントロールすることが回復を早めるポイントです。