ばね指と腱鞘炎は、指や手の腱と腱鞘の間で炎症や腫れが起こり、指の動きに支障や痛みが出る状態を指します。
腱が腱鞘の中を滑らかに通過できなくなることで、動かすと痛みや引っかかりを感じることがあります。
手や指をよく使う人や、妊娠・更年期の女性、糖尿病の方などに起こりやすく、年齢や職業、生活習慣によって症状の出方に差があります。
なぜ起こるの?
腱鞘炎やばね指は、指や手の腱に繰り返し負担がかかることが主な原因です。
長時間のパソコン作業、スマートフォンの操作、手を使う仕事や家事、スポーツなどが関与します。
加齢やホルモンの変化、糖尿病などの全身疾患もリスクとなることがあります。
炎症が続くと腱が腫れて腱鞘の中を滑りにくくなり、動かすと痛みや引っかかりが生じます。
どんな症状が出るの?
指を曲げたり伸ばしたときに痛みや引っかかり、ばねのような「カクッ」という感覚が現れます。
腫れや圧痛を伴うことがあり、朝方や使い始めに強くなる場合があります。
症状が進むと指が曲がったまま伸ばせなくなることもあります。
どうやって診断するの?
診断は、症状の経過や指の動き、腫れや圧痛の有無を確認して行います。
必要に応じて超音波検査などで腱や腱鞘の状態を調べ、他の疾患がないか評価することもあります。
典型的な症状があれば、検査なしで診断可能なこともあります。
治療の基本
治療は、炎症の軽減と腱の滑りを改善することが目的です。
手を休める、使いすぎを避ける、装具で指を固定する、消炎鎮痛薬や湿布を用いることが基本です。
症状が強い場合は、腱鞘内ステロイド注射やまれに手術が行われることがあります。
日常生活では、手や指を無理に使わない、作業方法を工夫することが重要です。
腱鞘炎・ばね指のセルフケア
炎症期(痛み・腫れ・熱感が強いとき)
・安静にする:手や指をできるだけ使わず、負担を避ける
・冷やす:氷嚢や冷湿布で15〜20分程度、1日数回行う
・サポーターやテーピングで固定:炎症を起こしている腱や腱鞘への負担を減らす
・痛み止めや湿布(必要に応じて医師の指示で使用)
※炎症期には温めたりマッサージをすると悪化する可能性があるため避けます
回復期(痛みや腫れが落ち着いてきたとき)
・温める:入浴や蒸しタオル、温湿布で血流を促す、季節によっては手袋、カイロを使う
・軽い運動:指の曲げ伸ばしや手首のストレッチを痛みのない範囲で行う
・指や手首のマッサージは痛みのない範囲で行う:腱周囲の柔軟性を高める
・負担をかけすぎない:重いものを持つ、長時間同じ動作をするのは控える
・生活習慣の工夫:パソコン作業やスマホ操作の際は手首の角度に注意し、10〜15分ごとに休憩をはさむ
鍼灸は役立つの?
鍼灸は、痛みや腫れの軽減、手の動かしやすさの補助として用いられることがあります。
鍼やお灸により局所の循環改善が関与すると考えられており、筋肉や腱周囲の緊張が和らぐ可能性があります。
一部の研究では、手指の痛みや引っかかり感の改善例も報告されていますが、個人差があります。
鍼灸は薬物治療や休養の補助として行い、単独での治療ではなく医師の治療と併用することが大切です。
妊娠中や持病のある方は、施術経験のある専門家のもとで、主治医と相談しながら行うことが必要です。
受診の目安
痛みや引っかかりが数日から1週間以上続く場合、日常生活に支障がある場合は医療機関を受診しましょう。
・指が曲がったまま伸ばせない
・腫れや熱感、痛みが強い
・症状が徐々に悪化している
これらの場合は早めの診察が必要です。
まとめ
腱鞘炎とばね指は、指や手の腱と腱鞘の炎症によって痛みや引っかかりが生じる状態です。
原因は使いすぎや生活習慣、ホルモンの変化、糖尿病などが関与します。
治療は休養、装具、薬物療法、必要に応じて注射や手術が基本です。
鍼灸は血流や筋肉・腱周囲の緊張の調整を通して、痛みや引っかかり感の軽減を補助する方法として役立つ可能性があります。
症状が長く続く場合は自己判断せず、医療機関に相談しましょう。