逆子・流産・早産

逆子

 妊娠中は通常胎児の頭部が下方、妊婦の骨盤側に位置するのに対し、その逆側に位置している状態を逆子と呼びます。

 ほとんどの逆子は一時的なものであり、妊娠の週数とともに、あるいは運動や体操により、または鍼灸などの治療によりもとに戻ります。この場合の逆子は妊婦の下腹部およびその周辺の皮膚・筋の緊張が見られ、あるいは下肢や腹部・腰部の冷えがある場合もあります。治療はそれらの改善が主になり、よく知られたものに「至陰」や「三陰交」のお灸があります。


 妊婦側の器質的な疾患、例えば子宮筋腫や膿腫など、または多胎妊娠などが原因である場合は、鍼灸の治療に劇的な効果は期待できませんが、たとえ疾患を持っていても、それが逆子の原因であると言い切るには、治療して改善するか否か確認しなければ判らない、というところがあります。


流産・早産

 流産とは、胎児が胎外でまだ生きられない時期の分娩のことです。何の病気も持っておらず、特に悪い生活を送っていなくても、妊娠が分かった人のうち、10~20%の人が流産するので、これを自然流産と呼びます。


 流産の約85%が妊娠前期、12週までに起こります。この時期の流産のほとんどは先天異常や遺伝病などの胎児側に原因があると考えられています。これを早期流産と呼びます。


 流産の約15%が妊娠13~22週に起こります。このうち、子宮など生殖器の器質的異常や頸管無力症、外傷、風疹やサイトメガロウイルスなどの感染症、糖尿病や甲状腺機能低下症、自己免疫疾患など、母体側に原因があるのが約3分の2であり、残りは原因不明であると言われています。


 また臨床的に、切迫流産、進行流産、稽留流産、感染性流産、化学的流産、習慣流産と分類されます。


・切迫流産 少量の出血を認めるが頸管は未開大で、正常妊娠過程へも復帰可能な状態

・進行流産 出血・下腹部痛が強く、頸管が開大し妊卵が娩出しかかっている状態

・稽留流産 胎児が子宮内で死亡後、出血などの症状がなく子宮内に停留している状態

・感染性流産 子宮内感染を伴った流産

・化学的流産 妊娠反応は陽性となったが子宮内に胎嚢が認められず、月経様の出血をみる状態

・習慣流産 3回以上の自然流産を繰り返す状態



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