めまい

急性のめまい

 めまいは重篤で急性のものはとても少ないのですが、万一のために知っておきましょう。

 胸部不快感や失神寸前の状態があれば、器質性心疾患(狭窄性弁膜症、心タンポナーデ、大動脈狭窄、急性冠症候群、左心房粘液腫、肥大型心筋症、大動脈解離、不整脈原性右室異形成)や不整脈(頻脈性不整脈、徐脈性不整脈、心ブロック)、肺高血圧や肺塞栓などを疑います。

 急性発症の回転性めまいに神経障害もあれば、椎骨脳底動脈不全や脳幹腫瘤髄膜脳炎、頭外多発神経炎、血管炎(第Ⅷ脳神経を含む)、多発性硬化症、その他の脱髄疾患部分発作を疑います。

 急性回転性めまい(一日以上持続)、悪心、嘔吐、重度の平行失調があれば、小脳卒中/腫瘤を疑います。また突然発症した重度の回転性めまい、顔面麻痺、耳痛、外耳小水泡性皮疹、難聴があれば、ラムゼイハント症候群(耳帯状庖疹)を、糖尿病の既往歴があれば低血糖を疑います。




 めまいの型は大きく分けて四種類あります。


・浮動感・ぐらぐら感

 めまいが心因性の症状として出ているときは、たいてい口の周りや四肢のしびれ感、胸部圧迫感、呼吸困難感、過換気など不安に関連する身体症状を伴う。不安、うつ病、パニック障害、身体表現性障害がこれらの症状の原因となりうる。

・平行失調

 脳血流低下による意識障害を反映する。典型的には不整脈、虚血性心疾患、弁膜症、肥大型心筋症、血管迷走神経反射、起立性低血圧、貧血が原因となる。

・前失神

 高齢者は前庭器官、視力、位置覚の変調によりバランスがとりにくくなると、めまいを訴える。起立時や歩行時に生じるが、座位では通常起こらない。平行失調は、小脳疾患、パーキンソン症候群、末梢ニューロパシー(糖尿病やビタミンB12欠乏など)によっても起こることがある。

・回転性

 「ぐるぐる回る」と表現される前庭系の異常である。末梢性めまいと中枢性めまいの鑑別が必要である。

中枢性回転性めまいの典型的な原因は、脳幹または小脳の虚血、聴神経腫瘍または他の中枢神経系腫瘍、多発性硬化症、脳底動脈領域の片頭痛などにある。
 他の神経学的症状を伴わない場合、めまいが生命を脅かすことは稀である。高齢者や中枢神経系の出血や虚血の危険因子をもっている患者ではよりいっそう注意がひつようである。重度の自発性の回転性めまいや重度の失調、特に何らかの神経学的症状を伴う患者で動脈硬化の危険因子を有する場合は、小脳出血や小脳梗塞を除外するためMRIを行うべきである。

末梢性めまい

・良性発作性頭位めまい

 ある姿勢をとってから回転性めまいが起こるまで、わずかにタイムラグ(2~20秒)がる。発作は1分も続かない。回転性めまいを誘発する姿勢をわざと繰り返すことによって症状は軽減する。めまい発作は1カ月もしないうちに自然に治まるが、のちに再発することもある。

・前庭神経炎

 この疾患はウイルス性の上気道炎の数日後に発症することが多い。回転性めまいは徐々に増悪し、24時間以内にピークを迎え、数日から数週間かけて徐々に良くなる。頭を動かすと症状は増悪する。急性期には自発性の眼振がみられる。何週間かは症状が少し残って不安定であるが、3カ月以内に回復する。

・メニエール(Ménière)病

 耳閉塞感または耳圧迫感、低調の耳鳴り、変動する低音域の難聴で始まる再発性の回転性めまいによって特徴づけられる。回転性めまいは急速に起こり、数分以内にピークを迎え、何時間もかけて終息する。活動期には、1年間に30回もの発作のある人がいる。聴力低下は、最初は可逆的であるが、のちには難聴が持続したり、悪化したりする。



 初めてのめまいの発作はどうであったか、その後の発作の時間経過はどうか、時速時間、頻度、発作を誘発する特定の体位や運動の有無、悪心、頭痛、発熱、難聴、耳痛、耳鳴り、神経学的症状、薬物の服用状況などに注意しましょう。

 もし発熱があれば、何らかの感染症を疑います。耳痛などがあれば、耳に原因があるめまいを疑います。真っすぐ歩くことが出来なかったり、何らかの運動失調があれば、小脳の疾患を疑います。この場合はすぐに受診しましょう。

 現代医学的な明確な原因がなく、あるいは治療法がなく、身体の他の部分に異常が現れている場合は、それを治療できる鍼灸が有効です。また気血を補い、利水効果がある漢方薬もめまいに効果をあげるでしょう。





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